![]() 田舎のおじさんたちに、キセル関連グッズ、いろいろいただいちゃいました。 ![]() 先日、母方の田舎で、急な弔事がございまして、それで東京と埼玉とを行ったり来たりしておりました(ホームページの性格上、弔事の詳述は遠慮させていただきますね)。 母方の田舎は、職人さんたちの集まりなので、昔はキセルをやってるひとがたくさんおりました。おれも子供のころ、そんな職人さんたちがわいわいやっていたのをみていたから、それで最近になってキセルを始めてみたって感じなんです。 で、そんな親戚のおじさんたちとまたひさしぶりに御会いしたわけなんだけど、もうみんなキセルやめちゃってて、おれがひとりでキセルを吸ってたら、みんなに珍しがられてしまいました。おれの持ち歩いている携帯用のちっちゃい豆ギセルとタバコセット、なんだこりゃあ、これじゃあちょっとなさけないやなあって、笑われてしまった。まあ確かにあんまりカッコよくはまとまってないんですけどね。 そしたら、ひとりのおじさんが、うちにはもう使っていない銀ギセルと莨入れがあるからって、翌日持ってきてくださった。なんかすごいカッコイイキセルと莨入れで、びっくり。えーっ、これホントにいただいちゃっていいんでしょうか?? あとで惜しくならないですか?? いえ、嬉しいです。気が変わるまえにいただいちゃいますよ。家宝にしますから。ありがとうございます。ってな感じで、こちらもうろたえてしまうくらいの立派なキセル、もらっちゃいました。 これがその写真。 ![]() ![]() ![]() キセルのほうは、くちのところが銀なのか、全体がいぶし銀なのか、なんかよくわからないけれども、なんか細かい彫り物もしてあります。細かすぎてちょっと写真にうまく撮れなかった。 莨入れは、鹿皮に刺繍をほどこしたもので、可愛らしい花柄は、もしかしたら女持ちかもしれないとかなんとか。古いキザミが入ったまんまになっておりましたので、蜜柑の皮を入れて少し加湿して吸ってみました。けっこうなお味でございました。 キセルを入れる鞘は、なにでできているんだろう。骨董にくわしいおじさんの話では、紙縒りを編んで作っているのではないかとのことなんだけど、すごく細かい細工で、昔の日本の職人さんはすごかったんだなあって思った。 トンボ玉はニセの珊瑚だとおじさん。これがホンモノの珊瑚だったらやらないよって。へえー、まあそういうことはわからないけど、カッコいいです。 ![]() それから、もうひとりのおじさんに、こちらは普通のサイズのキセルと、いまではもう売っていないとても貴重なキザミタバコ、「ききょう」をいただきました。 いま日本でふつうに店で手に入るキザミタバコは、「小粋」っていう銘柄がひとつだけ。インターネットで調べたところによると、79年にききょうが製造中止となって、日本からキザミタバコがすべてなくなってしまうということがあったらしい。その後愛好家たちや歌舞伎や落語、時代劇関係者たちの働きかけがあって、急遽中国製のタバコを使って「山吹」という銘柄が発売されたんだけどこれがいまいち不評だったらしくて、それで85年に純日本製の高級キザミタバコ、小粋が発売されたんだそうだ。そして数年まえに山吹がなくなり、現在キセル用のキザミタバコは小粋がひとつだけってことになってしまったのだそうな。 いまではレトロなタバコとして一部の愛煙家に楽しまれているばかりのキセルだけれども、それが日常のタバコとして生きていた時代の最後の銘柄が「ききょう」ってことになるのではないかな。なんかすごいもの、ありがとうございます。とりあえずホームページで自慢してから袋を開けようって思っているので、まだ吸ってません。 キザミの歴史については、こちらのサイトなどを参考にさせていただきました。(いつものことながら無断リンクで失礼します) http://www.ne.jp/asahi/citron/cervelle/khsier.html まあそんな感じにおじさんたちからキセルやらキザミやらいただきましたら、そんじゃおめえつぎは長火鉢だなあって、もうひとりのおじさんがおっしゃいました。おらちの長火鉢、おめえ使うかいって。えー、さすがに長火鉢までは、いただいてもどうしたらいいかわからない。大きいし、使うのむずかしそうだし…。 と、でっかい長火鉢までうちに来そうになっちゃって、ちょっとビビって遠慮してしまった。そしたらそれを横で聞いてたいとこに、けんちゃんね、たとえ使う機会がなかったとしても、こういうときは、ありがたくもらっといて、月日が流れていつか、つぎに欲しいっていうひとが現れたらそのひとにあげる、そうやってこういうのはひとからひとへと伝えられていくものなんだよって、叱られてしまいました。けんちゃんね、おれんちにはおじちゃんにもらったものを仕舞っておく部屋がひとつあってね、そこには日本刀だってあるんだよって。うわー、たしかに日本刀は長火鉢より使う機会がなさそうです…。 いとこに叱られたからって鞍変えするわけではないんだけれど、家に帰ってきて、いただいたキセルを眺めているうちに、おじさんの長火鉢が気になってきた。こんな本格的なキセルでタバコを吸うんだったら、やっぱり火鉢で火をつけてみたいなあ。ふつうのひとより家にいる時間が長いおれだから、けっこう火鉢のある生活もいいもんなんじゃないかなあ、とかなんとか。 そんな話を母にしたら、それが後日おじさんに伝えられたようでした。でももうおじさんは長火鉢惜しくなっちゃったようすで、かわりにってわけでもないんでしょうが、キザミタバコをくださいました。ききょうと専売公社時代のゴールデンバットと、山吹。これはまたすばらしいものを。今回はこの山吹がまたとくに気になっていたタバコでありまして、ありがたく吸わせていただこうと思います。長火鉢のハナシはまたいずれ…。 ![]() てなわけで、このハナシはおしまいでございますが、そのついでといっちゃあナンですが、おじさんたちに笑われちゃったいまのおれの携帯タバコセットを御紹介させていただきます。 ![]() いまのおれは、アウトドアショップで買った防水のシガレットケースに、小粋と豆ギセルとガスライターを入れてます。灰皿はアビタックスの灰皿が背面にクリップがついているので、シガレットケースのヒモにピッタリ装着できて便利。お手軽キセルセット。 まあみなさまからの御指摘のとおり、あんまり貫禄ないのが欠点で、長物のキセルも運べるカッコイイ本格的な莨入れが欲しいってのは、まえまえからずっと思っておりまして、インターネットで調べたりもしていました。だから、おじさんからいただいた莨入れ、超グッドタイミングだったわけなんですが、現実問題、今度はカッコ良すぎて無茶な扱いはできない。だから、これはこれを持っていっても大丈夫なときの外出用ってことにして、これとは別に、壊れても無くしても気にしないタイプの莨入れってのも、ひとつ考えることにしました。 ![]() 上の写真は吉祥寺のユザワヤの文房具売り場でみつけた絵筆を入れるための筆入れ60円+税。それからラッピングのコーナーで売ってた友禅紙粘着テープ300円+税。 筆入れはキセル用にはちょっと長いので、なんとか短く調整して、和風の粘着テープを貼れば、なんかそれらしいキセル鞘ができそうな気がしない?? で、それをさきほどのシガレットケースにくっつけて、アビタックスを根付けに見立てて気取ってみると。そういう構想。 はて、ちゃんとできますどうか。これからやってみようと思います。 以上、今回は親戚のおじさんたちにたいへんお世話になりました。いただいたお宝、大切にいたします。ありがとうございました。 |
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