ブレークイン
 きのう書いたことをもういっかいまとめると、つまり、大晦日に安物パイプを買ってみたのはいいけれど、パイプたばこを売ってるような店はどこも休業中で、吸いたくても吸えない。仕方ないので紙巻きたばこのゴールデンバットとブラックストーンのバニラってのを買ってきて、それらをほぐしてまぜて吸ってみたけど、案の定すごいまずかったってハナシだった。
 それがいちにちたったいまなんだけど、美味しくなってきたんだよ、おれが作った即席ブレンド、ゴールデンバットのバニラ炒め。
 なんで美味しくなってきたんだろう。パイプって不思議だなあ。
 たぶん何度も吸ってるうちに、ナラシ(ブレークインっていうらしい)が出来てきたのかもしれない。パイプの木の焦げるにおいがなくなってきて、火皿にカーボンがついてきて、これで正式にたばこを吸える状態になってきたってことなんだと思われる。
 それから、吸いかたもすこし上手くなってきたのかもしれない。ばかばか煙りを出さないように吸うっていうか、吹くっていうか、なんかいままでの紙巻きたばこともキセルとも違うやりかたみたいだなあ。まあ、ホントに初心者だから、まだまだ全然わかってはいないんだと思うけれども…。

 でもゴールデンバットがこんなに美味しく吸えるってことに、なんだか感動してしまった。こういうパイプで吸うと、どんな葉っぱでも美味しくなっちゃうんだろうか…。なんてことふと思ってさ、お茶っ葉もつめて吸ってみたんだけど、さすがにこれはまずかった。緑茶を美味しくすることはできないみたい。焚き火で枯れ葉の燃えたときの煙りがくちに入ったときのような感じの味。もしもこれが美味しかったら、近所の雑木林の落ち葉でも拾ってきて吸ってみようかとも思ってたんだけど、やっぱやめたほうがいいかな。
 そういえば、むかし、ともだちと、スーパーでいろんな香辛料を買ってきて、片っ端からたばこにつめて吸ってみるっていう遊びが流行ったことがある。そのうちなにかすごいトリップのできる葉っぱに巡り合えるかもしれないとワクワクしてたんだけど、まあとくにたいした葉っぱはみつからなかった。七味唐辛子とか胃薬とかお線香とかもとくにたいして効き目なし。紅茶の葉っぱはマリファナの匂いに似ているらしい、なんてハナシもあったけど、マリファナの匂いを知らない人間が紅茶の葉っぱを吸ってみたところで、似てるかどうかなんてわかるわけない。まあでもそういうくだらない遊びでやたらとみんなでハイになって騒いでたから、そういう意味ではもしかするとどれかの葉っぱが効いてたりして??
 ま、いいや。ハナシがそれた。こういうハナシをネットで書くと、コジマは非合法な薬物に関係しているのではないか、なんて疑われそうだが、そういうことはまったくない。いまさら興味もない。たばこのほうが面白い。
 でももしもパイプで落ち葉が美味しく吸えるのだとしたら、それはそれで安上がりでいいなあなんてことは思っちゃう。そういえば、戦争中のモノがなかった時代、おじさんたちはたばこのかわりになんかの葉っぱを吸ってたってハナシを聞いたことがあるんだけど、あれはなんの葉っぱだったっけかなあ…。松葉だったっけか、笹の葉だったっけか…。うーん…、しかし、想像してみると、やっぱりそういうのはあんまり美味しくなさそうだなあ…。

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