6月19日(日)
 中禅寺湖畔のこのキャンプ場で、おれがテント張った奥の広場のあたり、日曜日には小学生たちのキャンプファイヤーが予定されているとまえもって聞いていたので、あまり長居はできない、手早く荷物を片付けて出発。
 こんどはいろは坂をくだる。いろは坂は、のぼりとくだりの道が別で、それぞれが一方通行になっている。のぼりの道には「いろはにほへと」とひらがなが、順番にひとつひとつのコーナーについていて面白い。そしてくだりの道は、のぼりの続き、「いろは」の後半が書いてあるんだけど、おれ、後半はきちんと暗記してなかった。コーナーごとに、予想外の文字が出てきて新鮮。
 日光には、面白そうな観光地がたくさんあるけど、そういうのはちっちも観ないで、今市から121を北上、途中118に入ると、そばやがたくさん並んでいる。そば喰いたくなったが、先を急ぐ。
 会津若松あたりでスクーターを道ばたに停めて、ツーリングマップルをひろげてながめていると、道路の向こうのほうから、道教えてやるからこっちこいって威勢のいいおじさんがおれに手招きしている。どうもありがとうって行ってみると、なにやら最近あまり店を開けていない様子の散らかった床屋のなかに案内されて、会津の名所やうまいものなど、いろいろ教えてくださった。ただ、おれのほうが、かなり無計画で走っていたので、おじさんには道の教え甲斐がなかったかもしれない。
 おじさんと別れてまた北に向かって走る。おじさんが教えてくれた定食屋、探したんだけどみつからず、住宅街に迷いこんでしまった。ほかにもラーメン屋とかいろいろきいたはずなんだけど、忘れてしまったので、とりあえず喰うのはあきらめる。

    

 49 号を走って猪苗代湖をみて、115号、4号で福島だ。NINさんとケータイでやりとりしたりしつつ、北に向かって走る。目指すは蔵王のハートランドキャンプ場。じつは、このキャンプ場がなかなかよさそうだって、まえもってNINさんとの打ち合わせていた。キャンプ場にも電話して受け付け時間などを聞く。
 すこし暗くなりかかった霧のなかの457号を走る。鬱蒼とした山のなか。こういう道は好き。しかしどんどん霧が濃くなってきて、キャンプ場がみつからない。
 ふと大きな駐車場に出る。霧が深くてここが駐車場であることはわかるけれど、いったいなんの駐車場なのか、周囲が見えず、わからない。一台の車がこっちに来て、もうここは閉める時間だから、ここに居てもらちゃ困るよと言われる。ここはどこですかと聞くと、スキー場だとのこと。ハートランドキャンプ場に行きたい旨を告げると、ならばわたしの車についてきなさいということになって、そのスキー場のひとの車のあとについてスクーターを走らせる。しかし、その車速い。すごいスピードで走っていくので、こちらもがんばってスピード出したんだけど、残念ながら途中で挫折、はぐれてしまった。いやはや、ついてきなさいっていっときながら、なんであんな追いつけないくらいのスピードを出すんだろうなあ…。
 まあそんなわけで、結局じぶんで地図で調べてハートランドキャンプ場に到着。ハートランドは牧場で、その一画がキャンプ場になっているようなところだった。なので、テントサイトはとても快適、いいところ。日曜の夜なので、ほかにお客さんはいなくて、しずかな夜をすごしたのであった。

    

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