![]() 文房具好きのひとたちのあいだでは、きっと有名なんだろうけど、ロディアっていうフランス製のメモ帳がありまして。これ、おおきな文房具店などにいくとよく置いてある。店内の一角で、なんかオシャレっぽい演出して、オレンジ色のいろんなサイズのメモ帳とかノートが並んでいる。いちばん小さいサイズのロディア11っていうA7サイズのメモ帳がひとつで180円プラス税。うーん、ちょっと高いかな。 おれとしては、輸入モノのノートとかは、日本人のサイズに合ってないモノが多いって印象が強かったから、このロディアっていうメモ帳も、これまでずっと興味の対象外だったんです。なんか文房具屋の高級文房具が並んでいるあたりで、オレンジ色でペカペカしているやつが最近ハバをきかせているなーっていうくらいの記憶しかなかった。「ロディア」なんていう名前だっていうのも、つい最近知ったくらいのものでね。 ま、そういう感じだったんですけど、こないだ、近所に新しくできた百円ショップに、そのロディアによく似たメモ帳が売っててさ、なんの気なしに買ってみたら、すごく使いやすくてびっくりした。うわー、ロディアってこんなに使いやすいメモ帳だったのかって、すっかりロディアのファンになってしまった。…って、この段階では、まだロディアを使ったことないんですがね。100円ショップのロディア風のメモ帳を使ったってだけのハナシです。 去年あたりからおれ、ノート術みたいなものにちょっとハマッてまして、仕事も趣味も生活全般のあれやこれやをぜんぶA4のルーズリーフに一元化してまとめちゃいたいと、試行錯誤をくり返してました。そのハナシはそのハナシで、また書きはじめたら長くなるんでやめときますが、まあなんだかんだやってみて、すべてをA4サイズに統一してやっていくっていう方法、けっこう気に入ったやりかたに落ち着いてきました。 だけど、A4サイズっていうのは、ノートにしちゃ大きいので、なにかと不便も多いわけです。ふだんのおれは、大抵ひとりで部屋にこもって仕事をしているから、A4バインダーをつくえに広げっぱなしにしているということで、とてもやりやすくなるわけなんですが、部屋から一歩外にでると、もうそこからはA4バインダーってのは、大きくて邪魔だなあってことになってくる。 そこでメモ帳の出番。去年は、マルマンのスパイラルノートっていう94×132の小さいノートがずっとお気に入りで、これ、ホームセンターで3冊セットで200円くらいのやつをまとめ買いして使ってた。外出中などに、なにかいろいろ思い付いたとき、忘れるまえにメモしておくというような、いわゆる作家や芸術家のひとたちがやっているようなメモを、おれもマネゴトながらもやってみようと思ってさ、やっているわけ。で、そうやってメモしたやつをどうするかっていうと、けっきょく家に帰ってきて、A4のルーズリーフに転記するわけだ。これがあまり好きでない作業でね、面倒臭い。 なんかうまい方法ないものか、転記より効率のよい方法はないものか。うーん、書いたメモをスティックのりで一枚ずつA4ルーズリーフに貼ってったらどうかな、思い付いて何度か試した。でも、微妙なところでね、マルマンスパイラルのサイズは、貼るにはちょっと大きい。また、野外で書いた字も荒れてて読みにくい。貼るのと転記するのと、どっちが効率よいかとくらべると、マルマンスパイラルノートの場合は、転記のほうが、まだよいかなあっていう感じ。 結局ほかの方法がみつからなくて、そんな感じにこないだまでは転記ってことで納得していたんだけど、ロディア(風のメモ帳)を使ってみたら、書いたものをルーズリーフに貼っていくという作業がすごくラクで楽しくなっちゃった。ミシン目がついてるから、ぴっとやぶいてピットで貼れる。おまけにこのかたちのせいなのか、あるいは方眼が印刷されているからなのか、小さいくせに比較的、書いた文字があとからでも読みやすく書けるというようにも思った。 そんなようなわけで、おれのメモ帳もロディアになりましたっていうわけ。 ![]() ほらほら、一応一冊ホンモノのロディアも買ったんですよ。もったいなくてまだ使ってないけど。 インターネットでもロディアで検索して、たくさんの文房具マニアのかたがたのサイトを拝見しました。ロディアってすごいんですね、いろいろな使い方があるみたい。しかしそんななかでもいちばんおれがココロひかれたのは、やっぱりロディアカバーってやつでした。 ロディアカバーっていうのは、ロディアにつけるカバーのことで、とくに一番人気のこのロディア11っていうちっちゃいメモ帳には、いろいろな種類のオシャレなカバーがあるようなんです。革のやつとか麻のやつとか帆布のやつとか。ペンホルダーがついて、メモ帳と一緒にペンを携帯できたり、使用済みでぴっとやぶいた紙なんかを収納できるポケットついたりして、ロディアをより便利に使いこなせるような工夫がされている。文房具マニアさんたちのサイトで、みなさん御自慢のオシャレでかっちょいいロディアカバーの写真なんかがたくさん掲載されていたりして、そんなの見せられちゃうと、ああ、おれもこれ欲しいなー、なんて思てしまいます。とくにおれの使っているのは、ロディア風だがロディアにあらず。100円ショップで買った安いメモ帳なのでカバーつけて隠して使わないと、フランス大使館に呼び出されるかもしれない。 ああ、あこがれのロディアカバー。近場の大きな文房具屋をひととおりまわって、ネットでも調べて、あーでもないこーでもないと、思い悩む日々が続きました。ロディアカバー買おうかなあ、どうしようかなあ。革のやつは安いものでも3000円くらいから、人気あるのは4000円くらいのやつで、高級なのは数万円するやつもある。布製のは、無印で売ってるってネットで書いてあるのは読んだけど、その情報はちょっと古くていまは売ってるようすはない…。はて、どうしたものか…。 と、さんざん悩んで、けっきょく作りました、ロディアカバー。つくった、といえるほどのことはしてないんだけど、うちにあるものでなんとかなった。 さっきも書いたけど、去年から模索しているA4ルーズリーフでじぶんの生活管理をする方法、そのひとつとして去年、そこに情報カードも取り入れようとして、それ関係の道具もいくつか買っていたのだ。5×3サイズの情報カード、けっきょくむずかしくておれには使いこなせなくてこの企画はボツったんだけど、そのカードを整理して持ち運ぶためのコレクトの「暗記パース」(400円くらい?)と呼ばれるカードケースみたいなもの、これを当時、なぜか3つも買っちゃってた。ひとつも使いこなせないうちからなんで3つも買っちゃったのか、いまとなっては思い出せないんだけど、情報カードに相当入れ込んでたんだろうな去年のじぶん(夢だったよ)。 で、その暗記パースの横幅が、ロディア11とほぼ同じサイズ。上下はちょっとパースのほうが長過ぎるんだけど、まあそれはいいや、これでなんとかなりそうだから作っちゃえってんでできたのがこれです。 ![]() 表紙、おれのかいた絵が入ってるのは、ちょっと恥ずかしいんだけど、とりいそぎなんか入れといたほうがいいかなってんで入れてある。まだここんところは決まってない。 で、開くとこんな感じ。 ![]() 暗記パースとしては表紙になる部分を、ロディアカバーではメモ帳を装着するボディにして、暗記パースとしては、情報カードの束を収納するためのマチのついた本体部分を、ロディアカバーでは表紙にしてみました。つまり、本来の用途とは逆なんですが、こうすると使いが良い感じがしました。 中身はこんな感じ。 ![]() 左上は、下敷きをカットしたもの。7.5×13.8センチのを2枚。パースの左右にそれぞれ入れる。 右はコレクトの暗記パース。青いものがくっついてるけど、これも下敷きをカットしたもの。7.5×12センチと7.5×10センチの下敷きを重ねて右と下を製本テープで止めて、両面テープで暗記パースの表紙の部分にしっかりと張り付けました。ここにメモ帳の底の厚紙を挟んで固定する感じに使う。 下敷きはそれぞれカットしたあと、爪きりのヤスリでカドを落としてまるくしました。 写真下側まんなかの2枚は、コレクトの5×3カードに製本テープで5ミリほど出る感じのベロをつけてしきり紙にした。これはなくてもいい気もしたけど、やってみたらメモをすばやく分類して放り込むのにすごく便利で、じぶんのなかではけっこうヒット。 右はロディア風メモ帳、左はトンボのリポーターコンパクトって4色ボールペン。 ま、以上がうちにあったありあわせのものでつくったロディアカバーで、みてくれはなんともおそまつさまなものではありますが、けっこう便利に使えてます。 いろいろ迷ったあげく、なんでじぶんで作ることにしたのかっていうと、べつにおかねをケチったわけではないです(ホント!?)。なんだかどうも、調べれば調べるほど、市販のロディアカバーが、おれには使いにくそうなものばかりではないかと思えてきてしまったんです。ネットで調べて、店頭でさわってみて、知れば知るほど、これって、ホントに便利なの?????ってなってきてしまった。 気に入って使っているひとがたくさんいらっしゃるわけだから、あんまりケチつけちゃ悪いような気もするんだけど、すべてのロディアカバーを調べたわけじゃないから断定はしないけれど、革の表紙は硬くって、めくって後ろにぴったりあわせられないのが多いと思った。薄いポケットに紙が入れにくい感じがした。ペンホルダーは細いペンしか装着できないものが多い。うーん…。 しかし面白いのは、にもかかわらずどうしてもロディアカバーが欲しいって思ってしまうこと。この心理はいったいナニ?? まえにもどっかで書いた気がするけど、おれはコレクター気質や、マニア気質は薄い人間で、どちらかというとフェチ気質が強いんではないかなってじぶんでは思っている。持ってる道具は少なくていいから、お気に入りの道具を末永く使いたい…っていうような。で、ロディアカバーっていうのは、このフェチゴコロを思いきりくすぐる道具なんだなと思われる。 つまりメモ帳っていうのは、常日頃、肌身はなさず持ち歩くもの。さまざまある文具のなかでも、ペンと同じくらいいつもじぶんと一緒にいるという、フェチ気質の人間にとっては愛すべき相棒みたいなものなわけだ。しかし同時に、メモ帳っていうのは、どんどん使い捨てていくものでもある。メモを生活のなかで役立てようとするなら、どんどん使い捨てていくようなつもりで臨んだほうがいいんじゃないかと思う。だからつまり、メモ帳っていうのは、人間にとって、もっとも相棒の素質に恵まれたものであるにもかかわらず、相棒として育つまえにすごい短命に終わってしまうものなのだな。これがフェチ気質の人間にとってはたまらなく悲しいことでありまして、メモ帳を使いこなすモチベーションを著しく下げてしまっている。がんばってメモ取ると、大好きなメモ帳がゴミになっちゃうんだもん、だったら使いたくないもん、いつまでも捨てないで大事にすりすりしてたいもーん、という感じ。 で、そのフェチゴコロの悲しみを補ってくれるのがメモカバーということになる。カバーを大切な相棒として、中身はどんどん使い捨てていきなさいよっていうわけだ。だからメモカバーは、必ずしも実用的ではないかもしれないが、それでも重要な役割をになっているということになる。革製のカバーが多いのもそういうわけなんだろうな。 えっと…、なんのハナシだったっけ。 そうそう、そんなわけでおれも若干文具フェチなところがあるんだけど、必ずしも革製品フェチってわけではなくて、節操なく安っぽいものでも平気でフェチれる見さかいのない男だ。不便か便利かっていったら便利なほうがいい、じぶんで作ったもののほうがみてくれは悪くても思い入れできるでしょ(少なくとも作っている時間は相棒だったんだから、完成したときにすでに思い入れは完了している)。結局カバーなんて、あればなんでもいいんだよっていうのが結論でした。 だけどなかなか便利っすよ。 つぎは、上下3センチほど短くして、もうちょっとコンパクトなものを作りたいなあなんて思っている。パースにハサミを入れるのはちょっと勇気いるんだけど、使えもしない暗記パースを3つも買っちゃったのは運命かもしれないな。そのうちもっとちゃんとバッチリなのを作ろうと思っています。 ![]() |
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