パイプたばこ
 パイプたばこってのは、一般的なシガレットにくらべて、ひとつ買うととても長もちするので、買ったたばこが美味しかった場合はいいのだけど、じぶんにはすごく合わないものだったりするとき、けっこう落ち込む。しかも最近喫う量も、まえほどではなくなってきたから、ニガテなたばこはずっとタッパーのなかに入りっぱなしだ。そうなると、だんだんと味も香りも抜けてきて、鮮度も落ちてくる。いずれカビが生えてきてしまうのかもしれない。それでも勿体ないから捨てられなくて、ときどき喫うのだけど、とくに栄養があるわけでもなく、美味しい以外にはなんの取り柄もないのがたばこなんだから、マズイと思ったら、躊躇することなく捨てたほうが、気持ち的にも肉体的にも健康かもしれないなあなんて思うんだけど、それでもやっぱりまだ捨てられなくて、無駄にタッパーを増やしている。
 まあそんなこともあって、いろんなたばこを試してみるのもいいけれど、そろそろじぶんの好きなたばこはなんだろうって決めたくなってきた。いわゆる「常喫たばこ」っていうのかな、そういうのを決めたい。まだまだパイプたばこの世界には、いろんなたばこがあって、おれがこの3ヶ月で試したたばこの数なんてタカが知れてるんだけど、でもまたマズいたばこを買ってしまってガッカリするのがつらいので、とりあえず現段階でのお気に入りをハッキリさせておきたくなってきたのだ。

 以下、パッケージの写真撮って感想書いてみます。



 写真左のアンフォーラ・フルアロマは、ときどきすごく美味しくいい香りがしたけれど、ほとんど上手に喫えなかった。まだ喫いかたのよくわかってないころに練習で喫ったからかもしれない。気が向いたらまた喫いたいたばこ。おれはこれをまだちゃんと味わえてないと思う。
 まん中のは、ケンタッキーバードっつって、たばこの葉っぱのほかに、なんの花だか知らないが、花びらが入っているたばこ。喫いやすいし、甘くて美味しいと思った。花の匂いのたばこなので、最初すごく違和感があったんだけど、その違和感を乗り越えるとかなり好きなタイプ。
 ハーフ&ハーフは、おれが初めて喫ったパイプたばこ。最初は安っぽい味だなあって思ったけれど、慣れてくるとかなり好みのたばこになってきた。シナモン臭いとか、八つ橋みたいとかいわれているようだけれど、おれには、コカコーラやドクターペッパーなどの、気軽で刺激的な清涼飲料のような雰囲気を感じる。おれが使うパイプが、ちいさなコーンパイプばかりになってきたこともあって、こういう気楽なたばこが気持ちいいかもしれない。



 写真左は、マクバレン・バージニアNo.1で、上手に喫うと、すごく美味しい。匂いもパイプたばこのなかではきつくないほうだと思うので、比較的ひとまえで喫っても大丈夫そうな気がする。かなり気に入って、何度も買ってる。すでに常喫たばこかも。
 まん中のは、マクバレン・ミックスチュアというたばこなんだけど、たしかにおれはこのたばこを喫ったのだけど、これはいったいどういう味だったのか、さっぱり思い出せない。いま喫ったらわかるかも知れないので、また気が向いたら喫ってみたいとは思っているのだけど。
 右のマクバレン・オリジナルチョイスは、チョコレート味かなんかのたばこなんだけど、味はそれほどチョコじゃない。香りはたしかに、カカオのようなほろ苦い感じもある。ヨーロッパのおみやげで、ときどき匂いのきついチョコレートとか貰っちゃって、うひょーっていうときがあるけれど、そんな感じの匂い。



 キャプテンブラックは、甘いたばことして有名で、人気もあるようなので、試してみたんだけど、おれにはどうも合わなかったみたい。たしかに袋を開けるまえから、強烈に甘いバニラの匂いがしてたんだけど、そういうのは匂いだけみたいで、喫ってみたら、なんというか、しぼったゾーキンみたいな味。喫いかたが悪いのか、甘いというよりはニガい。すごく甘い香りのケーキがあってさ、期待してくちに入れてみたら、ゾーキンの味しかしなかった、なんてことがあったら、どんな気持ちする?? あんまりつらいので、ゴールデンバットをふた箱ほぐしてキャプテンブラックにまぜてみた。すこし喫いやすくなったけど、量が増えてしまった。なかなか減らない。
 桃山とスイートダブリンは、ともに洋酒系の香り付けがされているたばこ。どちらも美味しいと思ったのだけど、おれは普段は、あんまりお酒を飲むひとではないので、とくにラム酒やウィスキーの香りがしたところで、そういうところにそんなに魅力は感じなかった。でも悪くない。



 写真右は、ダンヒル・マイミクスチャー965。すごく面白い香りで、すごく甘いたばこ。たかが煙りのくせに、キャラメルみたいな味がする。最初、すごく面白くてお気に入りだったんだけど、おれにはちょっとキツい。ニコチン酔いする。たまに喫うにはいいかなと思うけど、フタを開けたら、早めに喫いきらないと、すぐに味が落ちていくような気がする。
 まん中ダンヒル・アーリーモーニングパイプ。これは965が薄くなったような印象しか残ってない。でも酔った。965より軽いらしいのだけど、おれには強いみたい。
 ジョージが抱えているのは、スタッド・オートマールスム。これはパイプでも手巻きでも使える刻みの細かいシャグタバコ。200年くらいまえのたばこの味そのままのものだそうだ。とてもたばこらしくたばこ臭い。味もたばこの味。ジタンやゴロワーズあたりの臭いたばこの美味さがある。こういうたばこ臭さ、けっこう好きなんだけど、パイプにつめて長時間つきあうのは、ちょっとつらい。シャグなので、キセルにつめてちょびっとだけ喫うと美味いと思った。

 以上、いままで喫ったたばこの感想書いてみました。
 結局いまのおれは、ミズーリメシャム製の激安ミニミニコーンパイプが、いちばんのお気に入りになってしまったこともあって、気楽で、そんなに難しくないたばこがいい。書斎でじーっと硬直したように喫ってるような雰囲気よりも、のほほんと青空眺めながら喫うようなたばこがいい。そう考えると、ハーフ&ハーフ、ケンタッキーバード、マクバレン・バージニアNo.1あたりが、いままで喫ったたばこのなかでは気分のいいたばこで、好きである。
 まだ喫ったことないたばこのなかにも、気になるのはたくさんあるんだけど、しばらくこんな感じの指向で行こうと思う。

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