グレイトフルデッド
 2015年3月3日の制作時間、26分37秒。マンガ「南の魚」第5巻、第1話のしたがき中。だいたい6ページの途中まで。



 50歳のおじさんが、昔好きだった音楽をリンクして紹介してみるシリーズってのを、ここんところこのコーナーで続けてましたが、これ、キリがないな。どんどん思い出してくる。
 最近のおれは、あんまり音楽聴かない生活してた感じなんだけど、このシリーズを始めてから、また昔みたいに音楽浸りすぎになっちゃいそうで、そういうの、果たしてどうなのかなって、思っちゃったりしてね。ほかにもやることいろいろありますですし。(ってか早くマンガかけ!)
 たしか90年代一時期のおれは、週に3枚くらいのペースで、CD買ってた時期がありましてね。80年代は、レンタルでカセットテープで、かなり集めてたっけ。決して音楽マニアではないつもりなんだけど、かなりの時間とお金とエネルギーを、音楽に注いできたような気がします。

 じぶんでもCD買い過ぎだよなあって思ってたんだけど、なんだか止まらなくなっちゃってたんだよなああの頃。
 買い過ぎてたときは、ジャズが多かったと思う。ジャズって、ハマるとイモヅル式につぎつぎと欲しくなるようなオタクゴゴロをくすぐる性質がある。このミュージシャンとこのミュージシャンが一緒に演奏すると、どんな感じになるんだろうって、ミュージシャン人脈で追いかけてみたり、この名曲をいろんなひとがいろんな解釈やアドリブで演奏しているからって、曲で追いかけてみたり、時代によって、演奏スタイルの変化など、歴史で追いかけてみたり。面白くておもしろくて、キリがなくなってしまった。

 あと、おれの場合のもうひとつのハマりかたとして、気に入ったミュージシャンやバンドがみつかると、もうそれだけあれば、あとはなにもいらないんじゃないかって気分になることがときどきあってね。しばらくそれだけを買いまくって聴き続ける生活になるってことがある。
 ドゥルッティコラムさえあれば、一生ほかの音楽要らないんじゃないかって思ったり、もう好きすぎるからEBTGだけでいいやって思ったりしたこともあったなあ。
 生活のBGMは、ビル・エバンスのピアノだけでいいって思ってたころもあったし、もう死ぬまでキース・ジャレットのピアノソロだけでいいやって思ったり。ビル・フリゼール、ポール・ブレイ、その他いろいろ。
 でも、そういうの、だいたい一時的で、長くても数ヶ月くらいかな。しばらくすると、たいていあきてきて他のが聴きたくなってくる。
 これさえあれば、ほかはいらないって思えるくらいのバンド、もしくはミュージシャンっていうのは、夢のなかだけで、やっぱり実在しないものなのだろうか…。

 グレイトフルデッドは1965年にデビューして、1995年にギターのジェリーガルシアが亡くなって解散しているバンドなんだけど、2000年くらいだったかな、CD買い病の果てに、おれ、遅ればせながら、このバンドにどハマりする。
 夢にまでみたこれさえあればほかはいらないって思えるくらいのハマりかた、おそらく5年以上はひっきりなしにグレイトフルデッドだけを聴き続けたのではないかと思う。もしかしたらもっと長かったかもしれない。もうほかのどんな音楽を聴いても、すべて虚しくつまらないものに思えてしまって、聴いてられない。デッドさえあれば、ホントになにもいらない。
 ずっと探し求めていた理想のバンドが、グレイトフルデッドだって心底思った。

THE GRATEFUL DEAD - Hard to Handle (1970)
https://www.youtube.com/watch?v=axunhqUCXIM

 80年代、ストーンズばかり聴いてた高校生のころ、グレイトフルデッドもちょっとは聴いてみたんだけど、あんまり興味持てなかった。ストーンズの歴史のなかで、グレイトフルデッドはオルタモントの惨劇といわれる残念な事件のキッカケを作ってしまった悪いバンドのイメージが強かったんだけど、聴いてみると、田舎臭い地味なアメリカンロックで、期待はずれでつまんないなあって感じ。

Grateful Dead 8-27-72 China - Rider
https://www.youtube.com/watch?v=ZOVIQORfFrk

 そんで、2000年以降、デッドにどハマりしてしまったおれは、つぎつぎとCDを買いまくりましてね。デッドのCDは、すげーたくさん出てるもんで、また解散しているくせに、つぎつぎ出るもんで、CD買い病に拍車がかかっちまった。

Grateful Dead - Touch Of Grey (Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=8YSTeJOxiaw

 ちょうどその頃でしょうかね。世間ではCCCD問題ってのが出てきまして、それでおれもデッドのCD以外のCDは、もう信用できない、もう買うまいって思っちゃった。それもまたデッド一筋のCD買い病を加速させたかもしれないな。

Grateful Dead - Eyes Of The World -
https://www.youtube.com/watch?v=kX3Tdlmtbzg

 グレイトフルデッドの30年の歴史は、聴いても聴いても部分的な気がして、なかなか全容がつかめなくて、それでつぎつぎ買っちゃったんだけど、それでもだいたいの流れがつかめるくらいまで集めたら、だんだんと買うペースも落ちてきて、いまはもう何年も買ってないです。
 デッドに心酔するあまり、ほかの音楽すべてにつまらなさしか見出せなくなってた日々ってのも終わって、いまはバランスよく、ほどほどに、いろんなのを聴いたり聴かなかったり。
 でも、以前の異常なCD買い病は、デッドフィーバーで終了した感じ。いまではほとんどCD買わないひとになっちゃった。いつのまにかCDの時代も終わりつつあるのかもって感じもするし。
 この先またデッドのまだ買ってないCD買うこともあるかもしれないし、CD買い病が復活するかもしれない。これからのことはわかんないけど、ここまで夢中になったバンドは、デッドだけで、これからも出てきそうにないなあって思う。

Grateful Dead - Ripple - 10/31/80 - Radio City Music Hall (OFFICIAL)
https://www.youtube.com/watch?v=JT8zLTaKxeE

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