夏への扉
 2015年3月1日の制作時間、26分59秒。マンガ「南の魚」第5巻、第1話のしたがき中。だいたい6ページの途中まで。



 中学生のころ、「SFマガジン」愛読してたんだけどさ、山下達郎氏のバンドのキーボーディストである難波弘之氏がSFマニアで、名作SF小説をテーマにしたアルバムを作って、そのことについてあれこれ書いてあってね。当時SF大好きだったおれは買いましたよ。「センス・オブ・ワンダー」。

夏への扉(難波弘之)
https://www.youtube.com/watch?v=pWZbZHMbIbY

 この曲は、のちに山下達郎氏も歌ってて、もういまでは、山下バージョンのほうが有名だろうなあ。
 ご存知、ハインラインのステキな名作SF。泣いたなあ!!

 で、ジャケットは手塚治虫氏に描いてもらったってのも、話題だった。
 でも、手塚さん、ここではじぶんの絵柄を封印している。抽象的なSFイメージを描こうとしたんだろうな。ここんところがまた手塚さんらしいなあって感じで面白い。

 手塚さんが絵を描いたジャケットのレコードっていうと、おれが知ってるのでは、立花ハジメ氏のもあります。それが出たのは、おれが二十歳すぎてたと思うので、難波氏の10年後くらいかなあ。ピクチャーレコードで、「火の鳥未来篇」のキャラクターを描いたものだったと思う。時代がすこし変わってきたのか、手塚氏、ジャケットにキャラクターを登場させている。
 (立花ハジメ 手塚治虫でググると画像が出てきます)
 なんかの雑誌で読んだんだけど、立花さん、かなり細かく手塚さんにこういうイラストを描いてほしいって、指示したみたい。勝手に「火の鳥」から絵をコピーして画像を歪ませてサムネイルを作って持ってったら、怒られた、怖かったって、その雑誌には書いてあったっけな。

 で、このことから、マンガ家にとっての絵とはなにかっていう問題がみえてきてね、とっても面白いんだけど、ホンキで書くと長いハナシになりそうだから手短かに書いてみようかな。
 簡単にいうと、マンガの絵は記号であるって、手塚さんおっしゃってたわけで、これは、多くのマンガ家がそういう認識だと思うわけです。そういうマンガ家は、日頃、おれは絵をかいているわけではないって思い込んでるから、「絵をかいてください」っていう注文に、戸惑ってしまうことが多いわけだ。おれ、絵はあんまり描いてないんだけどなあって感覚。そこんところ、わかんないひとには、手塚さん、毎日たくさん絵をかいてらっしゃるじゃありませんかって感じで、ハナシがすれ違ってしまうんだけども。

 最近では、マンガ絵の現代アートなんてのもあるから、そこんところのハードルは、どんどん飛び越えやすくなってるかもしれない。マンガ絵を壁に飾ることとか、Tシャツのデザインに使って、さらにファッショナブルにみせる方法とか、そういう模索もいろいろあっての現代ですからね。
 でも、マンガ家って、じぶんの絵に対して、微妙な感覚を持っているもんだなあって、しみじみ思うわけでありますよ。

Modern Things : 立花ハジメ
https://www.youtube.com/watch?v=88YH_jxjukQ

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